【プロ野球観戦記】4/3 ヤクルト-広島

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◼️対戦カード ヤクルト-広島(3-6)
◼️日時 4/3 18時開始
◼️球場 神宮球場
◼️座席 3塁側 9入口 31段 65番 
◼️見どころ
両チーム合わせて18四死球、4失策の荒れ試合。広島が先制した後の1回裏、ヤクルトの攻撃で青木が肩に死球を受けて1.2塁となった後、川端のピッチャーマウンドへの滞空時間の長いフライをサード西川が落球したところから、荒れた試合になる予感が。
試合のターニングポイントは3-2でヤクルトリードで迎えた4回裏、ヤクルトの攻撃。2アウトから1番山田が四球で出塁、2番山崎がサードへの内野安打で1.2塁となる。ここで3回にホームランを打っている3番バレンティンが登場。広島先発薮田の内角攻めに対して漲り睨みを利かせるバレンティンは明らかに興奮しており、一触即発のヒリヒリした空気がスタンドまで伝わってくる。対する薮田は4球目にワイルドピッチ、明らかに動揺している。カウント2-2からの5球目、バレンティンは左翼ポール際、場外に消える大飛球を打つもわずかに左に切れてファールとなる。その後フルカウントとなるが、7球目のワンバウンドの変化球にあえなく空振り三振となり、ヤクルトの追加点は入らなかった。バレンティンはベンチに戻らずバットとヘルメットを投げ捨て、レフトの守備位置にゆっくりと歩いていく。
勝敗を分けるポイントとしては4回は少し早過ぎる気がしないでもない。しかし、この試合において一番緊張感が高まったのはこの4回のバレンティンの打席だった。制球の定まらない先発ピッチャーを擁しながら凡ミスで1点を返され、バレンティンに逆転ホームランを打たれていたカープにあっては、この4回にバレンティンに再び打たれていたら負け試合だったかもしれない。あるいは、また別のターニングポイントが訪れて逆転していたかもしれない。しかし結果的にこの回に点が取れなかったヤクルトは6回表の拙守により逆転負けをした。その6回表に逆転のタイムリーエラーとなるファーストゴロを打ったのが初回にエラーをして球場を異様な雰囲気に包んだ西川だということも因果が感じられた。
その後7回裏には今村の放った直球が川端の頭部に直撃する事態となるのだが、バレンティンはどんな思いで味方の拙守と川端の死球を見ていたのだろうか。そんなことを想像してしまうほどにバレンティンの猛々しさは異彩を放っており、この試合ですっかりファンになってしまった。

2018年3月に聴いた音楽

マンスリーレビュー3ヶ月目。年度末ということもあり仕事の忙しさからなかなか音楽を聴く時間が取れなかったような気がする。音源を買う数も少なかったし、買ったとしてもなかなか家で聴くことができず、もっぱら出勤時や退勤時などの移動中にアップルミュージックで音楽を聴くことが多く、そこで気に入ったものをアナログで購入するというのがサイクルになってきた。もちろんアップルミュージックにもなくアナログにもなっていない音源はあって、そういう場合はCDで買うことになるのだが、ストリーミングになってからリッピング作業も面倒くさくなってほとんどしなくなったので、やっぱり買うのであればアナログで買いたいというのが今日この頃。以下、今月聴き込んだ音楽。

 

・YOUNG FATHERS "COCOA SUGAR"

Cocoa Sugar [輸入アナログ限定盤・ブルー・ヴァイナル / DLコード付 / 1LP] (ZEN248X)_540 [Analog]

Cocoa Sugar [輸入アナログ限定盤・ブルー・ヴァイナル / DLコード付 / 1LP] (ZEN248X)_540 [Analog]

 

 イギリスのエジンバラをベースにする3人組ユニットの新譜。昨年マッシヴ・アタックの来日公演のオープニングアクトで初来日もしている。ライブを観たときは音響的な側面もあったかもしれないが、かなり混沌としていて掴みどころのない(=ノリきれない)印象を受けたのだが、このアルバムはその混沌としたエネルギーが見事にポップミュージックに昇華されていて、本当に素晴らしい。ベースとなるのはエレクトロニックを基調としたビートミュージックにラップやゴスペル的な歌唱が乗るブラックミュージックなのだが、オルタナティヴロックからの影響が感じられるところが面白い(もちろんギターは使われていない)。M7の"WOW"のタメのない性急なビートはスーサイドのようであるし、ラップでも歌でもないような言葉をボソボソと呟きながら確かにリズムを刻み、感情を爆発させるような歌唱が随所に聴こえてくるあたりは、ピクシーズのブラック・フランシスのようである。実際のところオルタナロックからどの程度の影響を受けているのかはわからないが、USからは決して出てこないようなミクスチャー感覚はUK的であるように感じられて、それこそオルタナティヴなラップミュージックであるように感じられる(あとボーカルエフェクトやドラムの音響処理が際立っており、ダブの要素が強いのもUK的)。M10の"WIRE "で"BEFORE I MURDER SOMEBODY BETTER GMME SOME MONEY (金をくれ、俺が誰かを殺してしまう前に)と歌われるように、歌詞の内容は怒りに満ちたものだが、幾重にも重なるコーラスとリズムの祝祭性からは、絶望だけではなく希望も聴き取ることができる。

 

・EVERYTHING IS RECORDED "EVERYTHINGIS RECORDED BY RICHARD RUSSEL"

EVERYTHING IS RECORDED BY RICHARD RUSSELL [限定輸入盤LP(イエロー・ヴァイナル)](XL883LPE) [Analog]

EVERYTHING IS RECORDED BY RICHARD RUSSELL [限定輸入盤LP(イエロー・ヴァイナル)](XL883LPE) [Analog]

  • アーティスト: EVERYTHING IS RECORDED,エヴリシング・イズ・レコーデッド
  • 出版社/メーカー: XL RECORDINGS
  • 発売日: 2018/02/16
  • メディア: LP Record
  • この商品を含むブログを見る
 

 レディオヘッド、ベック、アデル、ジ・エックスエックスなど錚々たるインディーヒーローが所属するXLレコーディングスの総帥リチャード・ラッセルによるプロジェクト。まず名前からしてカッコいい。EVERYTHING IS RECORDED。その意味(意図)するところはわからないが、響きがもうカッコいい(もちろん音のほうも名前に劣らずカッコいい)。ヤング・ファーザーズについてUK的だと書いたが、このアルバムも多分にUK的なR&Bであるよう感じられる。例えば、サンファの歌唱による美しすぎる名曲M2"CLOSE BUT NOT QUITE "ではカーティス・メイフィールドの"THE MAKINGS OF YOU"がサンプリングされているが、この大胆すぎる手法はもはや「ネタ使い」ではなく、カーティスが残した録音物とサンファの「共演」とでも言うべきもので、このやり方は本場アメリカのR&Bでは聴いたことがない(もしかしたらこうした手法も割と一般的であるのかもしれないが、ここまで美しく融合しているのはこれまで聴いたことがなかった)。打ち込みが主体のメインストリームのR&B/ヒップホップの中で、生音を主体として細やかな音響処理を施していくやり方は、XLレコーディングスというオルタナティヴなレーベルカラーが表れているようにも感じ、とても耳馴染みがよく親近感を感じる。

 

・RHYE "BLOOD"

BLOOD [LP] [12 inch Analog]

BLOOD [LP] [12 inch Analog]

 

いつの間にかマイク・ミロシュの一人ユニットになっていたRHYEの2枚目。ミロシュはこの間に離婚もして今作のジャケットに写っている裸の女性は新しい恋人なのだそう。私生活に大きな変化があり単独ユニットになったことで音楽的にも何か変化があってもおかしくないように思えるが、そこは全然変わっていない。女性的で浮遊感のある透き通るようなボーカル、美しいメロディー、絶妙にムードを保つアレンジ、全てがあのファーストアルバムと変わっておらず、クオリティーは一段と上がっている。脱退したロビン・ハンニバルのQUADRONも素晴らしかったが、RHYEのこの独特な空気感はミロシュのものだったんだなと、よりパーソナルな音楽に感じられてなぜだか前作よりもリピートしている。前作からの変化について強いてあげるなら、ファーストに比べて今作はより空間を意識した作りになっているように感じられて、部屋で聴いていると音への没入感が半端なく、ジャケに映し出されているような幻の光景へ何度もトリップさせられてしまう。

 

・U.S. GIRLS "IN A POEM UNLIMITED "

IN A POEM UNLIMITED [LP] [12 inch Analog]

IN A POEM UNLIMITED [LP] [12 inch Analog]

 

ざらついていてヴィンテージ感のあるアートワークそのままにどこかレトロでキッチュなセンスがどろどろとした奇妙なポップミュージックに昇華された一枚。U.S. GIRLSと名乗っておきながらメーガン・レミーという女性の単独ユニットであるが、昨今女性の単独ユニットが多いアメリカにあっては、逆説的にそのまんまのユニット名であるように思える(実際の由来は知らない)。バンドでないからこそ個人が抱えた趣味をそのまま詰め込んだような音楽なのだが、とっちらかっているようでまとまりがある。絵の具を何重にも重ね塗りしているが、色調は統一されているような。つまり、最大公約数に落ち着いた音楽ではなく、個人的な趣味の最大公倍数を目指した足し算(掛け算?)の音楽。ごった煮具合にこの音楽をどう表現すればいいのか悩んでしまうが、フザケて言うならば、内省的なSSWによるコブシの効いた演歌を80sディスコに乗せてみた音楽、とでも言っておきたい。そんな音楽が無茶苦茶ポップなんだから好きにならずにはいられない。

2018年2月に聴いた音楽

マンスリーレビュー2月分。2月前半はThe XXとFather John Mistyの来日公演があったのでそれ関連の音源ばかり聴いていた(どちらのライブも最高だった)。後半に入ってようやく最近の新譜を聴き始めて、それらがどれも繰り返し聴くに値する名盤ばかりだったもので、まだまだ今の段階で消化しきれていないのが現状。ということで、今月はよく聴いた2枚だけについて。

 

MGMT "Little Dark Age" 

Little Dark Age [12 inch Analog]

Little Dark Age [12 inch Analog]

 

正直に言ってMGMTがデビューしたときはフレーミング・リップスのフォロワー的な印象しか持っておらず、また個人的に同時代の音楽をあまり追っていなかった時期だったこともあり、そこまで聴き込むことはしていなかった。だから、ファーストで大きな成功を収めたのちにバンドが停滞気味だったこともちゃんと把握しておらず、フジロックへの出演もアナウンスされたしちょっと聴いてみるかという程度の気持ちで耳にした本作なのだが、これが本当に素晴らしい作品だった。耳を引くのが何よりもその痛快にひねくれたポップネス。リード曲の"Me and Michael"こそ「一度聴いたらつい口ずさんでしまう」系のアンセムだが、そのほかの曲のグッドメロディーの応酬はどちらかと言うと一聴してそのキャッチーさに耳を奪われるものの、どこかひねくれが感じられるものが多く、その毒のような成分がこのアルバムの肝となっている。例えば、こちらもリード曲だったM3の"When You Die"なんかはマイナー調のコード進行で徐々に視界が開けていくかのような展開を持つ綺麗なハーモニーポップなのだが、カタルシスが得られるはずのコーラスの部分ではなぜか謎の笑い声のサンプリングが執拗に被せられ、何とも絶妙に脱臼させにかかってくる。このあたり、このアルバムに参加しているアリエル・ピンクほど突き抜けてはいないものの、それに通じる「おふざけ」が感じられ、スターにになりきれなかったインディーポップヒーローの矜持が感じられてグッとくる。基調となるのは80’s風のシンセポップだが、曲調や展開の面で随所にクイーン(M5"Tslamp")やピンク・フロイド(M9"When You're Smile)的な要素が垣間見えるのも個人的にとても好みで、リップスがローファイなサイケを出自としながらクイーンやピンク・フロイドの影響を飲みこんで、インディーロック的な過激さを保ちながらも独自の路線でビッグになっていったように、MGMTのこのアルバムも大衆性と趣味性が美しくも共存する瞬間に満ちており、音楽の可能性に触れたような気持ちになれる。

 

・Car Seat Headrest "Twin Fantasy"

Twin Fantasy [帯解説・歌詞対訳 / 国内仕様輸入盤 / 2CD] (OLE13472)

Twin Fantasy [帯解説・歌詞対訳 / 国内仕様輸入盤 / 2CD] (OLE13472)

 

タワレコで目に留まり試聴して一発で気に入りアップルミュージックで通しで聴いてぶっ飛ばされた1枚。2011年の自主制作盤の再レコーディング盤ということだが、バンドの中心のウィル・トレドはたぶん26歳くらい。昨今のローファイギターロックになかなか心を掴まれなかったのだが、これにはがっちりやられた。特徴的なのは、どこが曲と曲の境目かがわからないような目まぐるしい展開とそれでいて確固たるアルバム作品として纏め上げる構成の巧さ。普通のギターロックのアルバムは一曲がだいたい2分半から4分くらいなもので、たまに10分近い大曲があったとしても、それはあくまでもアルバムの中の「大曲」として身構えて聴いてしまうような立ち位置にあるように思うのだが、カー・シート・ヘッドレストの本作にあっては、10分超えの曲が2曲ありながらもいい意味で大曲としての存在感がない。それらはあくまでもアルバムの他の曲と並列に存在している。さらに言えばこのアルバムには「名曲」は存在せず、あるのは断続的に訪れる「最高の瞬間」だけだ。曲という区切りが曖昧で音が並列に置かれているような感覚は自分の知っているギターロックではこれまでに経験したことがなく、どちらかというと、このアルバムを聴くときの感覚は、ヒップホップ、あるいアンビエントミュージックのアルバムを聴いているようなそれに近く、そこが決定的に新しい。ミックステープ的とも言える雑多な展開で楽曲が詰め込まれながらも、不思議とアルバムとしての統一感があるのもこのアルバムの特徴で、例えばM3のフォーキーな小曲"Stop Smoking(We Love You)がM8の"High to Death"でふいにリプライズしてくるあたりは、往年のピンクフロイドの名盤を思い出すくらいの構成美への意志を感じた。本作が名盤たり得ているのは上に書いたような「最高の瞬間」が何度も訪れるようなアレンジセンスやメロディーセンスが基盤になっていることは間違いないのだが、それにとどまらない懐の広さに新時代の到来を感じさせられる。早くも2018年のベストアルバム候補。