Anarchyの『New Yankee』

NEW YANKEE (ALBUM+DVD) (初回生産限定盤)

 

Anarchyの5枚目のアルバムにしてメジャーデビューアルバム『New Yankee』がリリースされた。最初に断っておくが、筆者はここ1年位の間に日本語ラップをよく聴くようになった者で、Anarchyのアルバムはファーストの『Rob the World』(名盤!)しか聴いていないため、あくまでもそれとの比較で思ったことを書くことにしたい。

Anarchyと言えば、団地暮らしから暴走族のリーダーとなり少年院で過ごしていたときにZeebraのパフォーマンスをみてラッパーを目指すようになり、2006年に前述の『Rob the World』で年間ベストを総ナメにした、という成り上がりストーリー(以上ウィキペディアの強引な要約)が何となく思い浮かぶ。一言で言えば「シリアスなラッパー」というイメージを持っていたのだが、今作を聴いてはじめに思ったのは「なんだかチャラいな」という印象だったことを正直に告白しておきたい。まあ、メジャーな音作り(EDMっぽいというのだろうか)や「MEMO 080 僕のIPhoneで彼女を逮捕」というフレーズを聴いたらそう思うのも無理はないと思うのだが、かと言ってAnarchyがつまらないラッパーに成り下がってしまったのかと言えば、もちろんそんなことはない。

Anarchyの魅力は前述の成り上がりのストーリーから派生するラップの内容のおもしろさと共に「キャッチーであること」があるように思う(例えば「Mic Check」の「ミリオンならダイヤブリンブリン?」だとか「Reperesent」の「レペゼンレペゼン aha aha」みたいな)。聴いたことのある人ならすぐに思い出せて、かつ何となく真似したくなるようなキャッチーなフックが至るところに散りばめられていること。これはラップの内容とはあまり関係のない形式の話である(意味のわからない外国語のラップでもどうしようもなく耳に残るフレーズに出会すことを思い出そう)。今作では1曲目の「The Theme」の「Vroom Vroom 楽しまなきゃ意味ない」であったり、3曲目の「Shake Dat Ass」の「MEMO 080 僕のIPhoneで彼女を逮捕」といった(前述の)フレーズなどがそれにあたる。内容なんて何でもいいなんて極端なことは言わないが、それと同等にキャッチーであることがAnarchyの大きな魅力であると思うのである。

ちなみに今作を初めて聴いたのはツタヤの店内放送(ツタヤレコメンド?みたいなの)であることを記しておこう。店の試聴機でなく、自室のスピーカーでなく、自分のIpodでなく、不特定多数の聴く放送で「仲間とここまで来た 諦める事なんていつだって出来たけど」というリフレインが聴こえてきたとき、なぜだかいたく感動していてこのアルバムを買おうと思ったのだった。


ANARCHY / Shake Dat Ass feat. AISHA - YouTube

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ROB THE WORLD

ROB THE WORLD

 

 初回限定生産盤に含まれている「痛みの作文」は渋谷のユニオンでたしか3,000円前後で売っていたはず。興味のある方はお早めに。

次は『New Yankee』でもfeaturingされているKohhの『Monochrome』について書きたいと思います。これも凄いアルバムですよ〜。

 追記)Anarchyのドキュメンタリー映画『DAICHI NO YUME』が8/29までアップリンクで公開中。観に行かねば!

http://www.uplink.co.jp/movie/2014/28979