2014年の20枚。

1. Lamp『ゆめ』

ランプは今最も新譜が楽しみなバンド。毎回期待以上のものを作ってくれる。今作も「シンフォニー」「さち子」という永井染谷両氏の二大名曲に挟まれて、スリリングな「A都市の秋」やドリーミーな「6号室」など佳曲揃い。ジャパニーズドリームポップの決定盤。

ゆめ

ゆめ

 

2. ayU tokiO『恋する団地』

キラキラ目映いポップスの万華鏡。一筋縄ではいかない展開を持ちながらどこまでもポップであり続けるのは、どうしてもオザケンの才能と並べたくなる。至福のメロディーを持つ冒頭の2曲は間違いなく2014年で一番多く聴いた。

恋する団地

恋する団地

 

 3. 柴田聡子『いじわる全集』

ほぼアコースティックギター一本と歌だけで作り上げられた女性SSWの名盤。曲の良さもさることながら引っ掛かりのある歌詞が抜群に良い。そこはかとなく漂う日常に根差した性の香りが絶妙で、とても上品に色っぽい。中毒性高し。

いじわる全集

いじわる全集

 

 4. KOHH『MONOCHROME』

間違いなく2014年ナンバーワンのインパクト。「結局見た目より中身 無理して格好つけるのダサい」という幕開けのフレーズを試聴して即買いした。全編こんな調子の単刀直入なリリック。聞き取りやすい声というのも大事な要素。

MONOCHROME

MONOCHROME

 

 5. ORGE YOU ASSHOLE『ペーパークラフト

ミニマリズムを基調としてジャーマンとラテンを繋ぐ。ロックという折衷的な音楽の美しくも悲しい形。禁欲的なモードから一気に解放されたかのような美しきラストナンバー「誰もいない」で強いカタルシスを得られる。

 6. 菊地成孔とペペトルメントアスカラール『戦前と戦後』

ラップからオペラまで、クラスターノイズから極上のポップソングまでをアコースティックオーケストラでまとめあげた菊地成孔にしか作れないロマンチックな一枚。菊地さんが書くラブソングが好きな人に強くお薦めしたい。

戦前と戦後

戦前と戦後

 

 7.Erlend Oye『Legao』

キングス・オブ・コンビニエンスの片割れのソロ作。レゲエのリズムを基調としながら質感は70sのSSW 。チェーン系カフェで流れるソフトロックに耳にタコができる中、そっち系の音楽のオルタナティブとして最良の出来映え。よく聴いた。

Legao

Legao

 

 8. 坂本慎太郎『ナマで踊ろう』

的確すぎる音と言葉の配置でディストピックな世界をさらりと描いた怪作。ゆら帝解散後の方向性を提示した前作でも驚きはあったが、今作におけるその上をいく世界観の確立には更なる驚きが。「スーパーカルト誕生」のPVの衝撃は忘れがたい。

ナマで踊ろう(初回盤)

ナマで踊ろう(初回盤)

 

 9. JJJ『Yacht Club』

リリックは何を言ってるのかよくわからない(共感できないとかじゃなくて、単純に単語単語でしか聞き取れない)のだが、音がくっそカッコいいしメロディーセンスがずば抜けている。パンピーやスラックにも通じるあの感じ。

Yacht Club

Yacht Club

 

 10. 笹倉慎介 with 森は生きている『抱きしめたい』

2014年はレコードでシングルを出すバンドが多かったように思うが、その中でも最もよく聴いた1枚。気だるくセンチメンタルな夏のサウンドトラックとしてこれ以上のものはなく、レコードというメディアにもドハマりしてた。

抱きしめたい【完全初回限定生産】[7inch Analog]

抱きしめたい【完全初回限定生産】[7inch Analog]

 

 11. 前野健太『Live with SOAPLANDERS 2013-2014』

「池袋で」「SHINJUKU AVENUE」「春の夜の夢のごとし」といったアルバム未収録の曲が聴けるのが嬉しい。前野健太の歌の生きているにおいがライブ盤というフォーマットでより濃厚に。

LIVE with SOAPLANDERS 2013-2014 (デラックスエディション)(CD+DVD)

LIVE with SOAPLANDERS 2013-2014 (デラックスエディション)(CD+DVD)

 

 12. Sick Team『Sick Team Ⅱ』

良くも悪くも時代性とか土着性をほとんど感じさせないアルバムで、「日本のヒップホップ」という枠に収まる感じがしない。高揚感を忌避してひたすらクールに徹しているのは異端のようにも思えるし、最高に洒落ている。

Sick Team II

Sick Team II

 

 13. Simi Lab『Page2: Mind Over Matter』

前作から格段にスケールアップしたことを感じさせるオープニングから「Avengers」に雪崩れ込む流れで強く拳を握りたくなる。バラエティに富んだラッパーたちが織り成す楽しくも苦い饗宴。

Page2:Mind Over Matter【初回限定盤(DVD付き)】

Page2:Mind Over Matter【初回限定盤(DVD付き)】

 

 14. スカート『サイダーの庭』

当たり前のように名曲しか作らない澤部さんの才能に感服。汗臭いようで爽やか。乾いているようで切ない。冷めているようで情熱的。しっとり聞き入らせるようでダンサブル。あらゆる相反する感情をぎゅっと濃縮したポップスの鑑。

サイダーの庭

サイダーの庭

 

 15. シャムキャッツ『AFTER HOURS』

群像劇風の歌詞に登場する「彼」「彼女」「俺」の中に容易く自分や自分の生活を発見できる。つまり共感できるということ。さながら10本のオムニバス映画のよう。「仕事のこと思い出しても 忘れたふりする アフターアワーズ」。

AFTER HOURS

AFTER HOURS

 

 16. Fennesz『Becs』

『Endless Summer』ばかりを愛聴していた自分からするとフェネスがここまでギターを弾いていることに驚きを感じた。ジャンル的にはノイズ/ドローンだけど、センチメンタル。感情に強く訴える音楽。

Becs

Becs

 

 17. Foxes in Fiction『Ontario Gothic』

金太郎飴みたいだけど、どこまでも内省的で美しいアルバム。ベッドルームで聴くための純正ドリームポップ。全体を通して貫かれるノスタルジックなムードは3枚目くらいまでのムームを思い起こさせる。

Ontario Gothic

Ontario Gothic

 

 18. MoodymannMoodymann

ブラックミュージックとしてのハウス。 ハウスがソウルミュージックの発展形であることがよくわかる、わからせてくれた一枚。反復が力を生むマンパワー

MOODYMANN

MOODYMANN

 

 19. Mr. Twin Sister『Mr. Twin Sister』

あくまでインディーミュージックとしての節度とユーモアを保ちながら、アダルトオリエンテッドな音楽性に洗練を深めていく様は一時期の相対性理論の洗練のされ方を思い起こさせる。

Mr. Twin Sister [解説/ライナー+歌詞/対訳+帯]

Mr. Twin Sister [解説/ライナー+歌詞/対訳+帯]

 

 20. ANARCHY『NEW YANKEE』

「日本人の誇り」みたいなリリックにはどうしても拒否反応が出てしまうが、そうした悪感情を容易く丸め込んでしまうようなスケールがあって、なんだかんだよく聴いた。

NEW YANKEE (ALBUM+DVD) (初回生産限定盤)

NEW YANKEE (ALBUM+DVD) (初回生産限定盤)

 

今年も良い音楽にたくさん巡り合えたことに感謝を。

 

(2015/1/14コメント追記)