入江陽『仕事』リリースパーティー@渋谷WWWが素晴らしすぎて。

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入江陽さんの『仕事』リリースパーティーに行ってきました。以前このブログでも記事をポストしましたが、『仕事』は今年の上半期のアルバムでもベストに入るくらいに愛聴していまして、ライブを観るのは今回が初めてでした。どんな感じなのかと期待を持ってこの日に臨んだわけですが、それはもうガチで期待を上回って有り余るパフォーマンスに興奮しっぱなしでした。獰猛で繊細な歌、むやみやたらに吠えるのではない美しいシャウト、観客の心をキャッチして場を温める軽妙なMC、どれをとってもエンターテイナーとして優れた資質のあるもので、ブルーノートビルボードなどちょっとスカしたジャズクラブから、ライブハウス、飲み屋などどんな場所でも通用してしまいそうなスケールのデカさは圧巻としか言いようがなく、否応なく今後の活躍に期待を持ってしまう歌い手でありました。

バンドセットのスタイルは基本的には入江さんがハンドマイクで歌い、バックバンドはドラム、コントラバス、ギター、キーボード、サックス、PCという編成というもの。バックバンドの演奏は(というか元々のトラックに)少なからぬアヴァンギャルド風味があるものでしたが、決して「歌」を邪魔しない過剰と抑制のバランスが絶妙な素晴らしいもので、リズムが一筋縄でいかない曲が多いにもかかわらず、あくまでも歌を主役として聴かせることができるのは、「歌謡ソウルシンガー」の面目躍如たるところで、シンガーとしての入江陽の力量とバンマス大谷さんのプロデュース能力の高さによるところが大きいだろうと思われます。あくまでもポップスのフィールドにおいてですが、歌がうまいだけでは決してエッヂな存在にはなれないし、バックトラックが先鋭的なだけでも好事家の愛好品になってしまう。入江陽の音楽はその両者が絶妙にミックスされ「歌謡曲」として存在しており、そこにこそ日本のポップスの臨界を拡張したと断言したくなるような要因があると思うのであります。

そうした入江陽の先端性に華を添えていたOMSBの存在もやはり触れないわけにはいかないです。この日彼は入江陽のステージに「やけど」で客演したのですが、少なくとも日本のインディーバンド界隈でここまでハマってるバンドとラッパーの共演は観たことがなかったです。「やけど」における入江陽とOMSBのコラボレーションがどのように実現したのかは知らないのですが、例えば入江陽がかつてはこのライブでも披露していたような弾き語りスタイルで音楽をしていた歌い手であったなら(この弾き語りも胸に迫るものがあって素晴らしかった)、この両者の共演は邂逅と言って差し支えないほど絶妙なマッチングであったと言えます。マジで両者の佇まいがカッコ良すぎて、ステージ映えが凄まじかったです。ぶち上がりました。というか、DCPRGのフィーチャリングにしてもそうですが、SIMI LABの面々はフィーチャリングされ上手度合いがハンパないです。

とりとめがなくなってしまいましたが、とにかく素晴らしかったのです。二階堂和美の歌や前野健太の歌を聴くとついつい「紅白に出て欲しい」などと思うことがあるのですが、入江さんもそんな感じです。キンタマのある歌い手の系譜。以下、ツイッターで拾わせて頂いたセットリスト。

6/29入江陽バンドライブ@渋谷WWWセットリスト

1.ソウルソング

2.卒業

3.レモネード

4.UFO

5.週末

6.JERA

7.フリスビー

8.鎌倉(弾き語り)

9.なんかウケる(カバー)

10.仕事

11.やけど

12.たぶん山梨

アンコール 13.あっさり(カバー)

 

 こちらは会場でフラゲしたbutajiさんとの共作『探偵物語』。ライブでも披露された「UFO」がいい感じです。

探偵物語

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