最近の収穫(9月前半)

石野卓球『LUNATIQUE』

LUNATIQUE

LUNATIQUE

 

 石野卓球の新譜。卓球ソロは聴いたことがなかったけど、宇川直宏による目を引くアートワークに心惹かれて購入。これがとても良い。アルバムタイトル、曲タイトルからも想像できるようにとてもロマンチックなアルバムである。テクノ/ハウスというのはある意味とても平坦で漂白された音楽だと思っており、音響的な楽しさがないと自分なんかはなかなかノリきれないタチなのだが、これはなぜだか凄く好きになってしまった。聴いていると月に照らされた野外でこの音楽を聴きながら恍惚としている自分を想像してしまう。

  

・ファクトリー・フロア『2525』

25 25

25 25

 

 ファクトリー・フロアの新譜。前作からひとりメンバーが抜けているようだが、基本的な路線は変わらず。反復するビートにインダストリアルな不協和音が乗っかる。クラブ寄りのインダストリアル・ディスコ・パンクと言ったら分かりやすいか。現在どのような編成で活動しているのかわからないが、このユニットの根っこにあるのはあくまでも「パンク」であると思う。例えば上に挙げた石野卓球の音楽が持つような緻密な美しさはないものの、ファクトリー・フロアのこの野蛮な攻撃性はクラブミュージックが決して持ち得ない魅力である。

 

タイヨンダイ・ブラクストン『オレンジド・アウト E.P.』

Oranged Out E.P. [世界限定1000枚プレス / 国内盤CD] (BRE53)

Oranged Out E.P. [世界限定1000枚プレス / 国内盤CD] (BRE53)

 

タイヨンダイ・ブラクストンの新譜。前作『HIVE1』が気になっていたもののきちんと聴かずにここまで来てしまって、新譜が出たのでこっちを先に購入。めちゃくちゃ面白い。アヴァンギャルドだけど人を寄せ付けないような取っつきにくさのない妙にフレンドリーな印象を持つこの音楽を分類する言葉が見つからない 。カオスとコスモスの縁に触れる、というどこかで聞いたような言葉にしてみるとよくわからない概念を、この音楽を聴くと体で理解したような気になる。『HIVE1』も即ポチり。

 

・ザ・バード・アンド・ザ・ビー『ザ・バード・アンド・ザ・ビー』

ザ・バード&ザ・ビー

ザ・バード&ザ・ビー

 

 ディスクユニオンにて捕獲。2007年作。ザ・バード・アンド・ザ・ビーの音楽が良いことは知っていたけれども、こうして改めて聴いてみるとその凄まじいセンスの良さに驚く。聴いていて思い起こすのはステレオラブとかハイラマズといった90年代に活躍した良質で実験的なバンド群だが、このユニットはそれらのバンドに比べて広くポップスのフィールドで勝負をしているようなところがあって、そこが大変に好ましく、いまの気分にマッチする。音楽的な野心は失わずに広く届くポップスを奏でることの難しさをいとも簡単にクリアしているかのような、この音楽の軽々しさ!最高です。