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REX ORANGE COUNTY "APRICOT PRINCESS"

 

Apricot Princess [輸入アナログ盤 / 数量限定盤 / オレンジ・ヴァイナル]  (AP001LP)_601 [Analog]

Apricot Princess [輸入アナログ盤 / 数量限定盤 / オレンジ・ヴァイナル] (AP001LP)_601 [Analog]

 

1998年生まれのアレクサンダー・オコナーによるレックス・オレンジ・カウンティによる本作は新世代のミクスチャー感覚に貫かれた2010年代ポップスの金字塔。

日本で世界初CD化となり併せてヴァイナルも再発となったレックス・オレンジ・カウンティの2017年作。ラテンありジャズありラップありソウルありパンクありシネマティックな雰囲気ありの新世代のミクスチャー感覚に貫かれたミラクルなポップス万華鏡。様々なジャンルのミクスチャーで成り立っている音楽だが、一貫しているのはソングライティングの上手さ。切ないメロディーを書かせたら彼の右に出るものはいないのではないかと思うくらいに全曲が胸を締め付けるような美しい旋律で占められている。楽曲を引き立てるアレンジも、必然性があってその楽器やアレンジを選択しているかのような確信に貫かれており、感情表現豊かなボーカルも完璧。若干19歳にしてここまで完成度の高いアルバムを作ってしまったというのだから、恐るべき才能としか言いようがない。今年のサマソニはこの人とチャンス・ザ・ラッパーを観に行くために行くと言っても過言ではないくらい注目の逸材。以下オススメの曲(全曲!)のレビュー。

シネマティックなストリングスによる重厚な導入から一転してハンドクラップ、シェイカー、ウッドベース、ピアノによる軽快でアップテンポなラテンナンバーとなるM1"Apricot Princess"、直線的なベースとドラムから始まるポップなピアノパンクとでも言うべきM2"Television / So Far So Good"は後半にラップ的な歌唱となったり、かと思えば前半の展開が嘘のようにしっとりとエモーショナルに歌い上げるピアノナンバーになったりと一筋縄でいかない展開がドラマチック、続くM3"Nothing"はゆったりとしたオールディーズ調のナンバー、フィーチャリングのMarco McKinnisの柔らかなトーンのボーカルが華を添える。M4"Sycamore Girl"もオールディーズ調の一曲で女性ボーカルが入ることでよりゴージャスな雰囲気に。M5"Untitled"クリーントーンのギターアルペジオと口笛が美しい小曲。畳み掛けるようにイントロから切なさ満点のM6"4 Seasons"は途中一転してラップと歌を自由に行き来するような歌唱となり、後半に行くにつれてどんどんエモーショナルになっていく展開に胸が高揚させられる。M7"Waiting Room"はリズムボックスとクリーントーンのギターのアルペジオ、シンプルなピアノの旋律から成る親密な雰囲気の一曲で"I'm just a boy you love"のフレーズが印象的。1分に満たないながらジャジーなサックスとピアノで空気を一転させるインストナンバーM8"Rain Man"を挟んで、アルバムはいよいよクライマックスへ。M9"Never Enough"はリズムボックスとフラットなベースに歪んだエレキギターが加わるイントロから始まるアップテンポなポップパンク。ラストに向けて突き抜けていく展開はクライマックスを飾るにふさわしい盛り上がりを見せ、アルバムはしっとりとしたピアノナンバーM10"Happiness"で締め括られる。

とにかく曲が良い。アレンジも良い。歌も良い。アルバム単位でみても展開がよく考えられていて、まるで一本の映画のようなドラマチックさがある。この非の打ちどころのない完璧さは、例えばビートルズのサージェントペッパーズのようなアルバムと比肩するとでも言ってしまいたくなる、金字塔と呼ぶに相応しい一枚。必聴!!


REX ORANGE COUNTY - UNTITLED


Rex Orange County - Never Enough