Walky-Talky's Journal

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SPARKS "SUMMER SONIC EXTRA"@渋谷クラブクアトロ

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サマソニエクストラとして行われたスパークスの単独公演を観に渋谷クアトロに行ってきた。サマソニ初日を諦めたので単独公演をやってくれるのはありがたい。最後にスパークスを観たのは2006年の"Hello Young Lovers"のリリースツアー。その時からもう12年も経っていることが俄かには信じ難い。どれくらいの月日かと言えば、その公演のオープニングアクトで出演していたスパンクハッピー(ボーカルは野宮真貴)が活動を休止してから今年ファイナル・スパンクハッピーとして再始動するくらいの月日であり、その公演を観に行ったとき20才だった自分は今年で32才になった、それくらい長い月日である。スパークスはと言えばその間に"Exotic Creatures of the Deep"、フランツ・フェルディナンドとの共作"FFS"、"Hippopotamus"という3枚のアルバムを出し、5回も来日するという、驚くほど精力的な活動を行っていた。

久しぶりに観たスパークスのライブはかつて観たときと同じようにユーモラスで真摯なポップスワールドが全開に炸裂していた。若いバンドを従えて鳴らされる音はロックのダイナミズムに満ちており、佇まいも文句なくかっこいい。微動だにせず鍵盤を弾くロンも変わらずユーモラスだし、ファルセットボーカルで観客を魅了するラッセルの立ち居振る舞いも演者として完璧で、彼ら自身がスパークスでありながら、「スパークス」を演じているかのような不思議な感覚に襲われた。そして、言うまでもなく楽曲の素晴らしさ。ほとんどの曲で自然発生的に手拍子が起こるのは新旧の楽曲問わず一貫していて、それはスパークスの曲が構造的にポップであることの証左だろう。スパークスを観ると、スパークスこそがポップなんだと思わされる。ポップの前では性差も人種も老いも若いも全てが無効になる。そう思わせることは教え諭してできることではないし、強要してできることでもない。磁場に引き寄せられるようにして初めてそうした思いが生まれる。たとえそれが錯覚であったとしても、ポップは武装解除の夢を与える。スパークスのライブはそんな夢が現前してくるかのようなショーなのである。

そんなスパークスのライブを20才のときに体験できたことは今でも自分の財産になっているし、今日のライブもこれからの人生の糧となっていくだろう。