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BROKEN SOCIAL SCENE "YOU FORGOT IT IN PEOPLE "

 

You Forgot It in People

You Forgot It in People

 

 PitchforkのBest New Albumsを聴く(2)

Released - October 15, 2002

Genres - Rock

Label - Arts & Crafts

Score - 9.2

https://pitchfork.com/reviews/albums/952-you-forgot-it-in-people/

カナダの大所帯バンド、ブロークン・ソーシャル・シーンの2002年発表のセカンドアルバム。ピッチフォークでのスコアは9.2を叩き出し、他主要音楽メディアでも軒並み高評価で受け入れられ、バンドの商業的なブレイクスルーともなった作品。

ブロークン・ソーシャル・シーンの音楽は今回このアルバムで初めて聴いたのだが、聴けば聴くほどこだわり抜かれた細部に発見があり、ここ一ヶ月程かなりの頻度で聴いている。とても良い。無茶苦茶良い。楽曲ごとに参加メンバーが異なるというところからもわかるように、それぞれの楽曲はバラエティーに富んでいるものだが、一貫して肝となっているのは音のテクスチャーに対するこだわりだと思う。例えば躍動感のあるガレージナンバーのM2"KC Accidental"は、ダイナソーJRを想起させるようなオルタナギターロックだが、90年代のそれと00年代のBSSでは音のテクスチャーが全く違う。前者のそれがボーカル、ギター、ベース、ドラムで構成されるある意味シンプルなギターロックであることに対し、BSSのこの曲はギターがこれだけ前景に置かれていながらも、一言で「ギターロック」だと言い切ってしまうことが憚られるような奥行きを持っている。それはボーカルパートのディレイ処理であったり、バックでさり気なく鳴らされるバイオリンの音色であったり、曲の構成であったりと、ギターパート以外の細かな要素のユニークさによって成り立っているものであるが、同時にそれらの要素があることによって更にこの曲の閃光のようなギターサウンドが映えているように思える。荒々しいガレージロックでありながら、細に渡ってこだわり抜くことによって、逆説的に荒々しさが増し、更なる高みを獲得する。ギターロックでありながらただのギターロックではあり得ないスタイルは、ロックの成熟を示すに相応しいものであり、ある意味でポストロックと呼ばれる音楽のひとつの到達点なのではないかとすら思う。フェイヴァリットトラックは多くあるが、個人的に一番のお気に入りはM3の"Stars and Sons"。オーガニックな装いを持つ前半から凶暴なギターと叫びに彩られていく後半に掛けて、反復するビートがトランスを生んでいく展開は圧巻の一言。


Broken Social Scene - Stars And Sons (Vinyl)